文化政策学−法・経済・マネジメント

もろタイトルの通り。
経済と文化がどのように結びついていくか、そこに行政がどこまで関わるべきかを考える本。大学のテキストとしても使われているらしい。


文化政策学―法・経済・マネジメント
後藤 和子
4641161267


学術本なので、学者の理論や各国の状況のレポートがほとんど。経済学のように、アカデミックな理論が現実社会にそのまま通用することは少ないが、全体を俯瞰する意味でいろいろなデータやモデルを知っておくのは重要。


シリコンバレーやシリコンアレーなんかのハイテク地区に芸術家が集まっているって言うのは知らなかった。たしかに同じ「クリエイター」だから親和性はあるし、相互作用を生みやすいんだろう。


逆にSOHOなどの芸術地区はどうなんだろう。ITベンチャーは多いのかな?
ウチの会社が莫干山路50号のIT先駆者になるって言うのも面白いかも。


個人的に「アートを利用した街づくり」が流行中。
このジャンルは、経済学、法律学経営学行政学社会学歴史学文化人類学など、関連する分野が幅広くて奥が深い。ビジネスのように"利益"を追求するだけじゃだめだし、"文化"に寄りすぎて負債を抱えてしまえば長続きがしない。そして何より"成果"が測りにくい。


創造的で地域に利益をもたらす、そして持続可能なシステム。とてつもなく難しい目標だ。
その根底に必要なのはやっぱり、自分の住んでいる土地や人を愛することだと思う。
21世紀は「個の時代」。地域に住む人間一人一人が、意識して取り組まなきゃならないんだろう、と思う今日この頃。